kurumi– Author –

私はみゆきの言葉に怒りを覚えながらも、これを最後にしようと心に決めた。「もう、本当に、私はカズヤとは関係がないの。この話は今回を最後にしてよね」傲慢なみゆきに対して、精いっぱいの言葉で言い返した。電話口には、何か誰かと話している気配を感...

「くるみ、どうカズヤと一緒になれるかアドバイスして。あなたカズヤの性格をよく知っているでしょ」なんて自分勝手なんだろう。。私はもうカズヤとはなんともないのに。私の人生に入り込んで欲しくないと強く思った。しかし、このまま無視しても、どうせ...

「いいですよ」快く引き受けてくれた弁護士先生にアポを取って電話を切る。するとその直後にみゆきさんから着信があった。もうみゆきさんとは関わりたくない。だから着信を無視続けた。でも着信音が途切れない。もうすぐ駅に到着するため、マナーモードに...

頭はすっきりしたけど、気分は最悪だった。でもそのことは言わなかった。「カズヤのことで、実は相談があるんです。私ではなく夫のシゲルさんです」昨日カズヤをシゲルさんが殴ってしまった一件を伝えると、先生は「そうか、とうとう起こってしまったか」...

青木カウンセラーから催眠療法について、簡単に説明される。催眠療法とは、潜在意識に働きかけて、無意識の世界からメッセージを受け取り、現実に直面している問題の解決のための参考にするのだという。「スピリチャルとは別のもので、海外にはエビデンス...

ダンナは私を守ってくれますが、ダンナに申し訳なくて」カズヤのこれまでのモンスターぶりを話したが、さすがに母親とできてしまって、子供まで生まれたことだけは言えなかった。カズヤのモンスターぶりを如実に語るものだけど、自分の母親が絡むことを他...

写真で拝見した時はどこかで会ったことがあるような気がしたけど、ヘアスタイルを変えたせいか、よくわからなくなってしまった。「青木です」　楚々とした雰囲気の人だった。ソファーに座ることを勧められ、出されたハーブティーはカモミールのブレンドで...

シゲルさんはきっと解決するために奮闘してくれるだろう。でもまたシゲルさんに迷惑がかかる。私と結婚しただけで、色んな災難に見舞われるなんて。私は本当にダメな妻だ。すまなさと劣等感で、ふがいない自分を責めていた。弁護士先生から紹介されたクリ...

　みゆきさんが取り乱す姿を見て、彼女の夫はどう思ったんだろう。妻の浮気も、妻が他の男の子供を妊娠したことを認めたくない夫が、みゆきさんやカズヤに報復するかもしれない。巻き込まれてしまったとはいえ、私もそしてシゲルさんも厄介な荷物を背負っ...

　陽ちゃんが「うん、パパ早く帰って」と頷いた時だった。スマホの着信音が響く。シゲルさんからだった。「もしもし」「俺だよ」「どうだった」「意識が回復したよ。怪我の方はたいしたことはないんだけど、医者が言うには心神喪失状態だというんだ」「あ...