サレ妻くるみ２– category –

人間は極限状態になると助けてもらったと勘違いしてしまう生き物なのかもしれない。「おなかもすいているだろ。ご飯も食べるかい？」「うん、ありがとう。。食べたいわ。。」「だんだん、以前のくるみに戻ってきたな。もともと僕のことを愛していたのだか...

私の心はカズヤの狂気に溺れ、カズヤの言葉が真実だと受け入れ始めた。「私はカズヤのものなのか？」と自問自答しながら、自分の意志を失っていった。。「お水が欲しいです。。」　小さく声をだした。「そうか。分かってくれたんだね。これからもっともっ...

何日か経過しただろうか。正確な時間は分からないけど、喉がカラカラになってしまい、水分が欲しくてたまらない状態になった。身体中で、指の先まで水分をほしがっているのが分かった。とても苦しくてたまらない。。「苦しい。このままでは死んでしまうわ...

「何を聞くのよ。そんなこと言われてもウンって言えるわけないじゃないの？」泣きながら抵抗する。なんでここに来てしまったのか、だんだん自分を責めたい気持ちになってきた。「それじゃ、ウンっていうまで、食事は抜きね。トイレもそこでしてね」今まで...

「どういうこと？あなたがカズヤとのことで相談があるっていうから来たのに。。なぜカズヤがそこにいるの？ちゃんと説明してよ。もうお願いだから家に帰して。この鎖を外して。もう手も足も痛いの」「あなたが私たちの言うことを聞けばね。きっと聞くこと...

何も言わずに来てしまったからきっと心配している。。どうしよう。。そうだ、みゆきに助けてもらえばいいのね。みゆきはどこにいるのだろう。「みゆき～、みゆき～、助けて」大声で助けを呼ぶと、カズヤはなぜか苦笑いをした。声が届いたのか、女性のよう...

目が覚めると、別の部屋に移されていた。しかも腕には手錠と鎖が繫がれていた。誰かが近づいてくる足音が聞こえた。「おかえり、くるみ」そこには聞き覚えのある、ぞっとする声が聞こえてきた。「カ、カズヤ。。。どういうことなの。。え、私はみゆきと話...

「分かったわ。一杯だけでも付き合いなさいよ。。」どんどんみゆきのペースになるようで怖かったけれど、一杯だけということで、渋々付き合うことにした。「かんぱ～い」出されたリキュールは、甘く、フルーティーな味わいだった。みゆきとは、他愛もない...

「くるみ、前の建物みて。」みゆきが手を振っているのがみえた。コンクリートでできた建物だった。「え、こんな建物なの」。少し違和感を覚えたけど、ここが新しい引っ越し先なのねとあまり気にとめなかった。建物の中に入ると、地下室があるようで、そち...

それからみゆきに会う約束の日当日の朝になった。「シゲルさん、今日は、ちょっと昔の友達と久しぶりに飲む約束があるから夕飯は済ませておいてもらえないかな。」「了解。久しぶりの友達となら、遠慮せずに存分に楽しんできてね。遅くなるようなら連絡し...