シゲルには心配を掛けたくなかった。あんなこともあったし、母の印象を悪くしてしまうのも嫌だったから。悩んだ末に、週末に控えた家でのお食事会のこと、そしてカズヤが私の勤めている会社で働き始めて、シゲルに取り入ろうとしていることを母に電話で伝えることにした。「もしもし、くるみどうしたの?」買い物中だろうか。地元のスーパーでよく聞いたBGMが聞こえてくる。後にしようかと思ったが、「何かあったのね」母に悟られてしまい、事情をその場で話した。「…そう。今考えてもあの時の私のしたことは最低だし、今でも許してもらえるだなんて思ってない。だからね、くるみ。私はシゲルさんに非難される責任があるの。もし私のことを思って話せていないんだったら、ちゃんと話して。
母が夫の子を妊娠しました第99話
2022年10月12日
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