するとみゆきの夫が、ペットボトルをドン!とテーブルに勢いよく置いて、「うちのみゆきを紹介したのはあんただろう」と責めてくる。私はシゲルさんと顔を見合わせた。怒りの矛先が自分の妻のみゆきさんやカズヤではなく、私に向かっているのだ。シゲルさんは「くるみは何もしていないよ」と私を庇ってくれる。「嘘つけ!」と再びペットボトルをドン!とたたきつける美由紀の夫。怖くなったが、ここで負けてはいけない、負けたらカズヤの思うつぼだと、私は自分を奮い立たせた。「カズヤ、いえ元夫は私に対するストーカー行為で接触禁止令が出たんです。だから法的に私に近づけないカズヤを、みゆきさんに紹介できるはずはないです」心臓がどきどきしていたが、なるべく冷静に説得しようとした。するとさらに大きな音でドン!とみゆきの夫がペットボトルを振りかざした。「接触禁止令が出る前に、うちの妻に引き合わせたんだろう、証拠がある」みゆきの夫はスマホから画像を見せた。そこには私とみゆき、そしてカズヤが楽しそうにワインを飲んでいる様子が映っていた。
母が夫の子を妊娠しました第158話
2023年7月19日
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