「居酒屋の隣で、警官たちが話しているのが聞こえた。接触禁止令発動後、警察による意見聴取の席でのこと。ストーカーの元夫が、自分の妻が自分をそそのかして、妻の母親と関係を持つように促した。妻の母親は長年のセックスレスで性的な欲求不満を抱えていた。元夫は妻を愛していたので、妻の言うとおりに母親と関係を持った。だが妻の母親が元夫の子供を妊娠。それから妻との仲が悪くなり、妻とよりを戻したいと思って、つい追いかけてしまったと事情徴収の席で語った。これって、妻が酷いんじゃないの?」投稿のスレッドを読み上げられると、私は怒りと悔しさでわなわなと震えた。お母さんとカズヤの関係は、私がカズヤをそそのかしたのではなく、カズヤが勝手にお母さんと関係を持ったのだから。「居酒屋で警察官が被疑者の情報を話すことはないです。この投稿は噂話の域を超えていないですね」弁護士の先生は冷静に述べてくれる。でも私には引っかかることがあった。「スレッドを読んでいくと、ストーカー夫の元妻は、那須高原のジャムが好きだと書いている。私が那須高原のジャムを好きと言うのは、カズヤしかわからないことなんです」「ふーむ、でもそれだけで元夫があなたに嫌がらせをしようとスレッドを立てた証拠にならないですよ。不愉快かもしれないですけど、このまま様子を見ましょう」「でも、、、、」そう言ってから、私は黙った。これ以上、弁護士の先生に相談しても、カズヤに対する私の不安や恐怖、怒りや戸惑いなどあらゆる感情を理解してもらえるのは不可能かもしれない。でも少しだけ、正直になろう。
母が夫の子を妊娠しました第155話
2023年7月8日
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