母が夫の子を妊娠しました第88話

まさか私を探しに東京に出ただなんて。今さら寄せられる執着心に鳥肌が立つ。「くるみ、もう暫くこっちに居たら?東京だって狭いんだし、もし陽と二人の時に遭遇して何かあったら…」「大丈夫だよお母さん。旦那もいるし友達だっているんだから」心配する母を安心させ、残り数日となった帰省をせめて充実させようと笑顔を作る。「くるみ…」本当はどうしようって動揺が凄いけど、私はもう母親なんだから。しっかりしなければいけない。この子の為にも、もし…なんてことは考えないでいよう。そう、鳴りやまない心臓を鎮めるように泣き出した陽の元へと走った。

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