母が夫の子を妊娠しました:番外編:第7話





両親への報告は病院で確定してからにしようと、次の日早速二人で有休を取って近くの産婦人科へ行った。



「おめでとうございます。妊娠2か月です」



にっこりと笑う医者の言葉で、またもや二人して泣いてしまった。

初めて貰ったエコー写真に愛おしさがこみ上げてくる。



ご馳走を食べようとその帰りに寄ったいつもの定食屋さん。

そこでお互いに両親に電話を掛けて報告した。



どちらも大喜びで、今から必要なものを送ると張り切る旦那の両親に気が早いよと笑う旦那は、今までで一番幸せそうに笑っていた。

母と父も泣いて喜んでくれて、私も幸せな気持ちになった。



「これ、お店から。今日はタダだから、好きなだけ食べて」



聞こえたのか、店主さんがやってきて、二人の好物をテーブルにたくさん並べてくれた。

沢山の歓迎を受けて、お腹の子もきっと幸せだと微笑ましくなった。



会社にも報告して、業務内容の負担を減らすように配慮してくれるようになった。

それが良かったのか、きつかったつわりも何とか乗り越えることが出来て、あっという間に産休に入った。



旦那の配慮もあり、産休中は私の実家で過ごすことになった。

地元の支社でその期間旦那は在籍させてもらえることにもなり、本当に良い職場に巡り合えたと思う。



お腹に手を当てて、話しかける旦那。

それに答えるようにして動く我が子。

あの頃はこんな幸せがやってくるだなんて思いもしなかった。



だけど今、私には大切な二人が居る。

思い浮かべる新しい家族との生活に、静かに今の幸せを噛みしめたのだった。



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